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孤高のインディペンデント企業

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プロフィール:日暮泰文(ひぐらしやすふみ)
インディペンデント・レーベル・ヴェテラン。東京(新宿柏木)生れ。中学・高校生の頃、R&Bやブルースといったブラック・ミュージックに心酔、ブルースを広く世に知らしめようというミッションを抱き、ブルース愛好会を60年代に鈴木啓志らと結成。そのミニコミ会報誌を、書店ルートに乗せる「ザ・ブルース」(現在のbmr)誌として刊行することによってブルース・インターアクションズを高地明とともに興す。同時に当時類例のほとんどなかった洋楽インディペンデント・レーベル「Pヴァイン」を75年に設立。音楽ライターも続けながら、スロー・ペースで業容を拡大。CD時代になって多ジャンル(ブラック、ラテン、ロック、レゲェ、ワールド、Jポップなどすべて非メインストリーム音楽)、少量多品種リリースのビジネス形態を確立させた。2006年、メディア業界でこだわりの音楽路線を進むCSチャンネル、スペースシャワーネットワークと業務資本提携、M&Aにより翌年リタイアする。著書に「ブルース心の旅」(講談社文庫)、現在ロバート・ジョンスンを深く聞くためのテキストを上梓すべく準備を進めている。

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コラム 2009/11/14
第13回 【番外告知】Welcome to the fantastic blues & soul show!


【特報!】

当コラムの著者、日暮泰文さんの新会社フライアーズ・ポイントがついに始動します!社名からしてやはり、アメリカ・ディープサウス、またブルースからは逃れられないようです。

新会社といっても、連載コラムで触れられてきたその創業会社ブルース・インターアクションズ/Pヴァインの打ち出してきたものとは、切り口やノリも異なり、何よりも、ビジネス的には厳しいのでは、というような不安から一般的にはどうしても遠ざけられてしまうようなもの、内容豊かな音楽を打ち出していきたいという心意気が感じられます。聞いてくださる人にも、そして送り手である著者自身も楽しめるもの、面白いものをやりたいということです。

第一弾企画は、超大物ミュージシャンの招聘ライヴとのことで、先日全容が発表されました。いずれもブルース/ソウル/ゴスペル/ドゥワップを代表する名うてのアーティストであり、驚くべきは、フラミンゴス、ミッティ・コリア、バイザー・スミス、ジョニー・ロウルズという最高峰のミュージシャン4組が一挙に、奇跡の初来日を果たすことです。

当コラムの読者のみなさまであれば、このありえない組合せのすごさは、充分ご理解いただけるものと思います。

詳細は、下記の特設サイトでご確認ください。
http://blues-soul.laff.jp/

また、日暮泰文さん本人からのメッセージも下記に掲載します。続報が入り次第、当サイトでもご案内していきます。(編集部)

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Welcome to the fantastic blues & soul show!

そうそう日本では見ることのできないような、面白くて充実したライヴをやってみたい。それもブラック・ミュージックの核心部分、ブルース、ソウル/R&B、ゴスペルなどひとつのステージで一挙に楽しめるような。----そんな思いからこのブルース&ソウル・ショウダウンの構想はスタートしている。

1970年代初めのb.b.キング初来日を皮切りに、かなりの数のブルースマンやソウル・シンガーが来日してきたが、ここ何年かはなかなか、思わず手をたたきたくなるようなアーティストの来日が途絶えていたように思う。呼ぶ側としてはあくまでビジネスだから、採算を考えると一部の大物アーティストが繰り返し登場するようなパターンに陥る。企画者である私たち、日暮と高地はなんとかして知名度はそれほどでなくても、音楽の質として高いライヴを実現できないものかと思案を重ね、自分たちの創業会社(ブルース・インターアクションズ、Pヴァイン・レコード)の役員を退いてから、今回のような来日ミュージシャンのパッケージを夢想し続けてきた。そして品川のよしもとプリンス・シアターという、ゆったりブルース&ソウルを味わうのには最高の場所の提供を受け、アーティストの地域性も限定、混迷する世界に現れた期待の星=大統領オバマのホームタウンにしてブルース&ソウルのメッカ、シカゴをフォーカスすることによって、ここまでこぎつけている。

来日アーティストは自分でもまさか、と思うような顔ぶれだ。60年代ソウル・シーンで女王アリサ・フランクリンに迫るほどの評価があったシカゴのミッティ・コリア。来日要請に対して「もうR&Bは歌わないけれど、いつも歌っているわたしのゴスペルを聞いてもらえるなら是非日本のみなさんの前でやってみたい」と快諾、私の彼→Godとなるゴスペル・ソウルをソウルフルに熱唱してくれることになるだろう。日本から参加するシンガー/ピアニスト、木下航志も大きな影響を受けたゴスペルだけに、ミッティをピアノでバックアップする場面も見られるかもしれない。
フラミンゴスもまさに奇跡の来日、という表現がふさわしい、ドゥワップの代名詞的存在だ。シカゴで結成後、来日するテリー・ジョンソンが加わってから一段とスウィートで甘いハーモニーを聞かせるヴォーカル・グループとなり、誰でも耳にしたことのある世界的大ヒット「瞳はきみゆえに」をはじめとするドゥワップの真髄を披露してくれるだろう。往年の大ヒット以外にも今回は日本のファンのためにサプライズ・レパートリーを用意しているとのこと。現在テリー・ジョンソンをフィーチャーしたこのフラミンゴスだけが、正式にフラミンゴスを名乗ることを(裁判で)認められたグループとなっている。そのコーラスの甘茶かげんゆえに、イラストレーターの湯村輝彦さんにテリー・ジョンソンを名乗らせ、フラミンゴ・スタジオとまで呼ばせてしまったことも、彼らの底なしの魅力を物語るものではないだろうか。

さてシカゴといえばもちろんブルースのスイート・ホーム。タフ、ラフでファンキーなブルースをやらせたら、リトル・ミルトンやボビー・ラッシュも一目置いたシンガー/ギタリスト、バイザー・スミス。日本にも熱心なファンが30数年ほど前から存在、ようやくの初来日となった。アーティスト中最高齢だが、パターン化されたブルースとはひと味もふた味も違う、生命力あふれる生々しいブルースを聞かせてくれることだろう。

以上のアーティストたちのバッキングを受け持つのが、これまたソウル/ブルースの世界で高い評価を受けるジョニー・ロウルズのバンドだ。ロウルズは不世出のディープソウル歌手、OVライトの伝統を受け継ぎつつ、洒脱なコンテンポラリー・ソウルを打ち出しており、とみに熟してきたソウル・シンガーとしての魅力も横溢。バンドには、バディ・エイスやジャッキー・ペインのサックス奏者としてキャリアを積むカール・グリーンが特別参加する。

多くのブルース/ソウル・ファンには、以上のような紹介などそれほど必要もないアーティストたちだが、それは決してちょっと渋めでマニアックなライヴだということにとどまらない。たとえば話題になった映画『キャデラック・レコード』に漂ったシカゴのナマの音楽生活、あるいは山下達郎さんの創作意欲のみなもとになっているもの、ゴスペラーズたちが突き動かされているもの、そうしたものも自ずとみえてくるようなライヴであるとも言えるのではないだろうか。そういう意味での一般性も充分、またマニアックに聴く人たちだけに留めておくにはあまりにももったいないブルース&ソウルの世界があふれ出る東京の夜をシャイタウンに重ねて現出させたい。

シカゴからのすばらしいブルース&ソウル・ショウダウン、お楽しみください!!

2009年10月
日暮泰文
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